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環境実験住宅の計画を始めるにあたり、日本人はどの様な文化を持ち、今の時代をどの様に生き、そして生き続けようとしているのかを建築家という職能をもって解いてみようと思った。
計画概念を組み立てるにあたり、今まで読んだ本の中で気になっているものをじっくり読み返してみた。
「アウレリオ・ベッチー備忘録(環境アゼンダ)」、「思考の道具箱」、「環境社会の挑戦」、「地球環境白書」、「日本人の心」、「日本とは何なのか」、「水の神ナーガ」、「宇宙・地球」、「エネルギーと人間」、等々。計画地のデータも風土・歴史的・環境など可能な限り収集した。建材データもエネルギー指数などを中心に収集した。場所を確認する為に緯度・経度を地図上で秒単位まで割り出してみた。1秒は30m程しかなく限りある地球を実感した。
ともすると否定されがちな風水・家相・陰陽五行などの本も読みあさった。分析可能なものは数値化し、言い伝えられてきたことは自分なりの解釈を試み、プロジェクトの目標とスタンスを決定した。
まず考えたのが、当たり前のことであるが、居心地の良い住宅を作ろうということである。居心地の良さを実現するには環境という視点が欠かせない。そして、住宅の環境は、その内側だけでは完結していないのである。
現在まで、建築は消費型・垂れ流し・省コスト優先のものづくりを行ってきた。再生産・再利用は、非近代的なものとされ無視されてきた。しかし、地球や都市の環境問題として、また、資源・エネルギーの問題としても、これからの建築は、再生産・再利用の循環系の中で考える必要がある。
「快適」は、辞書によれば、心身によく適して気持ちの良いさま、とある。心身の「心」は象形文字では心臓をかたどり、「身」は妊娠した女性をかたどる。臓器で言えば心臓機能と子宮機能が良いということで、それを空間に置き換えれば、快適な環境ということになると考えた。心臓の「心」は中心、子宮の「宮」は部屋が繋がっているというように、配置と空間を示しており、互いの関係がプランニングできる。なかでも、中心は重要であり、そのポジションから発するエネルギー(気)が存在する。
「環境」とはバランスであり、限られたエリアの中の総合的なバランスと理解することができる。環境が快適であるためには水環境が重要である。生まれでる以前から羊水の中で過ごし、誕生後も身の回りの日常の空間は、薄められた水の環境と言えるからだ。具体的には湿度が適度に調整される必要がある。
「生活」という視点は、「生」は象形文字では生長する草木をかたどり、次第に生長することを表す。住宅においては、竣工時に全てが完成し以後は崩れていくということではなく、家族と共に住みながら考え、徐々に成長していく家、ということができる。
住宅の建設においては、形とシステムのバランスをとった宇宙を作らねばならない。その宇宙は全体の大きな宇宙や、更に小さな宇宙と連続して繋がり、時間と共に生成される。「宇」は象形文字では家の四方をおおう屋根にかたどり、屋根、家を数える言葉として使われていた。他に「天下天地四方」という意味と「心・魂」の意味を合わせ持つ。昔、天は円く地は四角、方は四角の角と考えられていたので、快適のかたちとエネルギーのシステムを包括する家を宇の形にデザインした。中心には「和」をイメージし、12分点をもつ楕円を配置している。
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